旧型車の置き換えと輸送力増強のために、1986年から作られた汎用通勤車。
88年に始まる三田線直通にも対応している。
5000形の最終編成で試験が行われたVVVF制御と、大出力の交流モーターを採用したことにより、10連時では6M4Tにも関わらず5000形(7M3T)を上回る加速性能を確保した。
また、これ以上の増発・増結が非常に難しくなっているラッシュ対策に、新たな機構を導入することとした。
要求として、長距離でも比較的客の多い相急で、朝は小田原から既に座席が埋まっているような状況であるため、できるだけ座席数は減らさない。
また、渋谷駅の構造上、朝の上り電車では先頭寄りほど混雑する。
特に先頭車の先頭ドアは、運転席で乗れる面積が減っているため、運転士も協力して何とか扉を閉めるという状況が多かった。
そこで、渋谷方先頭車の先頭扉と2つ目の扉の間だけ椅子を折り畳みとし、朝の渋谷行き優等に運用される際は椅子を使用できなくした。
この折り畳み椅子を導入し、最も混雑の酷い小田原系統の急行に優先的に運用することとした。
結果として、統計をとったわけではないが、感覚的には6000形だと遅れにくいと言われることとなった。
←渋谷
8R+2R:6000(Tc1)-6400(M1)-6500(M2)-6700(T)-6600(M3)-6400(M1)-6500(M2)-6100(Tc2)+6200(Mc1)-6300(Tc2)
編成重量 | 261t(5M3T)/65t(1M1T) |
制御方式 | VVVFインバータ制御 1C4M |
主電動機 | 三相かご型誘導電動機 出力170kW |
ブレーキ | 回生制動付き全電気指令式ブレーキ |
定員 | 先頭車145(48)/中間車157(56) |
歯車比 | 6.21 |
起動加速度 | 3.5km/h/s(6M4T)/3.64km/h/s(5M3T)/2.92km/h/s(1M1T) |
速度(km/h) | 6M4T | 5M3T | 1M1T |
40 | 12 | 11 | 14 |
45 | 13 | 13 | 16 |
50 | 15 | 14 | 18 |
55 | 17 | 16 | 21 |
60 | 19 | 18 | 23 |
65 | 22 | 21 | 26 |
70 | 24 | 23 | 29 |
75 | 27 | 26 | 33 |
80 | 30 | 29 | 37 |
85 | 33 | 32 | 41 |
90 | 37 | 36 | 46 |
95 | 41 | 40 | 51 |
100 | 46 | 44 | 57 |
105 | 51 | 49 | 65 |
110 | 57 | 55 | 73 |
Q:6000。相急らしさ満点です。
A:確かにね。
Q:やたらと良い加速。沿線住民から苦情が来ないか心配になる爆音。
A:そして絞首台の如くぶら下がる吊革。
Q:なんですかその滅茶苦茶な例えは。
A:それぐらいいっぱいあるってこと。あの奥の方の吊革なんかまさに。
Q:あそこまでしますか?
A:あれ付けると奥の方へ進んでくれるから乗降時間が縮まるの。
Q:えーと、図で書くとこういう感じになってます。
A:相変わらずいい加減ね。
Q:ともかく、吊革が一体何本ですか?
A:線路方向が66×2+4×3本で、枕木方向が4本×18の216本。
Q:そんなに増やしてどうしたいんですか。
A:うーん、吊革祭り?
Q:いっそロングシート間の吊革全部3列にしたらどうです?
A:そしたら中吊り広告置けないじゃない。
Q:さいですか。ところで、従来やたら高かったMT比がマトモになってますが。
A:今までは基本的に1C8Mでやや多めにM車を作ってたからね。
Q:じゃあなんで突然1C4Mに鞍替えしたんですか?
A:その頃はVVVF車だとメーカーが1C4Mしか作れなかったから。
Q:そんなんですか。あとあの半端な折り畳み椅子は何なんでしょうか。
A:半端じゃない。適材適所。
Q:まあ椅子減らしたくないのは分かりますが。
A:従来だと編成の一番前のドアが最後まで閉まらないパターンが多くて。
Q:ああ、乗車スペース狭いから。
A:おまけに渋谷がね。
Q:山手線に乗り換えようとすると明らかに先頭からが一番近い。
A:後ろに乗ってもその分余計に歩くだけだからね。