都営三田線への乗り入れに備え、1981年から作られた通勤車。
地下鉄直通ということで、起動加速度は3.3km/h/sと高く取られている。
だが、これから長く使っていく車両として、同時に従来の通勤車より優れた高速性能を有することも求められた。
それをできるだけ安価に実現するための方法として、軽量ステンレス車体の採用が行われた。
基本編成6M2T+付属編成1M1Tという構成で、付属編成だけで営業運転することはない。
勾配区間の多い相急線で急行として運用される3000形ほどのスペックは必要ないため、MT比は10連で7M3Tに落とされている。
基本編成と付属編成が同数作られ、各停が10両編成(登場当時は8両編成まで)に対応した現在ではほぼ10両固定として運用されている。
←渋谷
8R+2R:5000(Tc1)-5400(M1)-5500(M2)-5400(M1)-5500(M2)-5400(M1)-5500(M2)-5100(Tc2)+5200(Mc1)-5300(Tc2)
編成重量 | 277t(6M2T)/67t(1M1T) |
制御方式 | 界磁チョッパ制御 1C8M/1C4M(5200) |
主電動機 | 直流複巻電動機(補償巻線付き) 出力150kW |
ブレーキ | 回生制動付き全電気指令式ブレーキ |
定員 | 先頭車146(50)/中間車156(58) |
歯車比 | 5.31 |
起動加速度 | 3.3km/h/s(7M3T)/3.49km/h/s(6M2T)/2.38km/h/s(1M1T) |
速度(km/h) | 7M3T | 6M2T | 1M1T |
40 | 12 | 12 | 17 |
45 | 14 | 13 | 19 |
50 | 16 | 15 | 22 |
55 | 17 | 16 | 24 |
60 | 19 | 18 | 27 |
65 | 22 | 21 | 31 |
70 | 24 | 23 | 34 |
75 | 27 | 25 | 38 |
80 | 30 | 28 | 42 |
85 | 33 | 31 | 47 |
90 | 37 | 35 | 53 |
95 | 42 | 39 | 60 |
100 | 47 | 44 | 69 |
105 | 52 | 49 | 78 |
110 | 59 | 56 | 90 |
Q:で、5000形ですが。何か全体的に3000で力を使い果たした感じがします。
A:実際そうでしょ。
Q:でも加速はいいですね。
A:モーター自体は3000と同じだから。
Q:同じモーターで歯車比を変えて…って国鉄ですかあんたは?
A:だって安いし。大量に作ったお陰で、予備の部品がなくなってVVVF化なんて真似をせずに済んでるじゃない?
Q:まあそらそうなんですが。
A:ちゃんと歯車比を変えてるだけ西武あたりより偉いでしょ。
Q:10000系の足回りはさすがに…って話を逸らさないでください。
A:逸らしてない。勝手に逸れたの。
Q:ところで、この電車やたら五月蠅くありません?
A:体感速度が速くなるわよ。
Q:東急8500系あたりといい勝負です。音もやたら似てません?
A:どっちも日立製モーターに歯車比5.31だからそんなもんでしょ。
Q:さいですか。で、吊革の圧迫感が悪化してます。
A:3000形で好評だった幻の吊革を装備したの。
Q:幻のってあーた。確かにドアの前にもう一列吊革なんて普通考えません。
A:というわけで、線路方向66本×2に枕木方向4本×18で合わせて204本。
Q:こっそり吊革の密度も上がってるんですね。扉間の低いのが12本。
A:200%ぐらいまでなら平気よ。
Q:つくづく、実用性しか考えてない会社ですね。
A:あと、扉の上に板がついてるわ。
Q:あ、押し込むときに掴めるヤツですね。
A:こういうものこそ通勤電車には必要なのよ。